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認知症の種類や診断方法・治療法を確認しましょう

2019/05/21

認知症の種類や診断方法・治療法を確認しましょう

以前、物忘れと認知症の違いについて書いたことがありますが、今回は、認知症についてもう少し詳しく、種類や診断、治療について書いてみたいと思います。

⬛認知症の種類を確認しましょう

65歳以上の8人に1人はかかっていると言われる認知症。種類は大きく3つに分けられます。約50%の方に発症するのが「アルツハイマー型認知症」で、脳の神経細胞が変化して少しずつ減っていくことで起こります。次に多く約25%の方が発症するのは「脳血管性認知症」です。海外と比べて日本人の発症率が高いタイプで、脳の血の巡りが悪くなることで起こります。3つ目は、「レビー小体型認知症」です。幻聴や幻覚、運動機能に異常を伴うことが多いです。

その他にも、病識が欠如して人格や行動に異常を来たす「前頭側頭葉変性症」や、頭の中に血液が溜まる「慢性硬膜下血腫」、髄液という成分の流れが滞る「水頭症」、あとは「脳腫瘍」により認知症の症状が現れる場合もあります。

⬛認知症の診断方法とは?

病院では、みなさんにお話を伺い、診察をして認知症以外の異常がないかを調べます。その後さまざまな検査を行います。は、患者さんに、質問に答えてもらい、認知障害の有無やその程度を調べる「神経心理検査」や「脳血流検査(PET・SPECT)」、頭部CT、MRIなどを行います。

検査の目的は、①記憶に関係する海馬など、脳の局所の萎縮の有無や程度の確認、②頭蓋内に血液や髄液という水が溜まっていたり、脳腫瘍や脳梗塞などの病気が隠れたりしていないかの確認です。これらの検査によって、どのタイプの認知症かを診断します。

ただし前回も書きましたが、診断で大切なことは、まずご本人やご家族・ご近所の方々が気付くことです。

⬛認知症の治療法とは?

今日の最後は治療についてです。アルツハイマー型認知症など多くの認知症は、いずれも少しずつ症状が進んでいく病気で、現段階で特効薬はありません。しかし最近になって、病気の進行を遅らせる薬が数種類ほど市販されてるようになり、患者さんによっては何年も症状が進行しないこともあります。

また、認知症に伴う「周辺症状」、例えば妄想・幻覚、興奮して暴れる、逆に塞ぎ込むなどの様々な症状は、抗精神病薬などで対処します。他にも「回想法」など、薬物以外の療法やケアなども行われています。