やまと診療所には、看護師が多数在籍しています。どのようなキャリアを積み、やまと在宅診療所に入職し、どのような想いを持って働いているのかを紹介していきたいと思います。前半の今回は、これまでのキャリアとやまと診療所に入職したきっかけをご紹介します。

介護士のケアに惹かれた

―これまでの経歴を教えてください。

大学病院の病棟に5年間、そして介護施設に8年間勤務していました。

大学病院では、高齢の患者さんが手術を受け、たくさんの点滴につながれ、顔もパンパンにむくんで目も閉じられないような状態になっているのをケアしていました。その様子を見て「私はこういう風にはなりたくない」と思いながらケアしていることに、大きな疑問を感じていました。

その後渡米し、一時帰国中に介護施設が看護師不足ということで誘われたことがきっかけで介護施設で働くようになり、本格的に帰国した後も勤務を続けていました。

―病院と比べて、介護施設での勤務はどうでしたか?

老衰末期で身体が動かなくなり、目が見えなくなった利用者さんでも、本人の希望通り車椅子に乗り、介護スタッフの介助で15時のおやつを食べる。疲れたら「ちょっと休もうかな」と言って、またスタッフに自室に連れて行ってもらい、そのまま眠る様に亡くなる。病棟での管理に埋もれながらの死を常々見ていた私は、このような自然な形の死があることに、とても驚きました。また、介護スタッフの方々が利用者さんの意思を尊重し、それを日常に組み込んでいく試みに、次第に心惹かれていきました。

そこで私は看護師として、マネジメント部分にも携わるようになっていきましたが、介護フタッフをはじめ多職種の方と一緒に入居者さんのケアをしていくことに、とてもやりがいを感じました。

例えば、私は「利用者さんの一番近くにいる介護スタッフが、その方のエキスパートであるべきだ」という自論を持っています。そのため介護スタッフには、個々の自己効力感を高めるような声がけをしたり、五感を使う大切さを伝えて、看護にはない介護独自の感性を磨く手助けをしたりしてきました。

また看護スタッフとしては、介護スタッフからいかに必要な情報を吸い上げていくか、そのためには何を伝えたら良いのか、自分たちがどのような立ち位置であるべきか、などを試行錯誤しながら取り組んでいくことにとてもやりがいを感じていましたね。

「やまとは人を大切にする」

―やまと診療所に入職した理由を教えてください。

きっかけは、医療法人社団やまとのスタッフの一人に会った時、「やまとは人を大切にする」という言葉を聞いたからです。以前勤めていた介護施設では、皆で連携を取りながら「日本でこういう取り組みはしていない」と自信を持って言えるようなケアをしていました。ところが、運営母体がスタッフや利用者さんを大切にしていないと思える部分もあったんです。

ところが、私はあまり在宅医療に興味がなく、いずれは訪問看護をやりたいと思っていたんです。介護施設でのケアを通して、高齢者看護の集大成は訪問看護であるべきだと思っていました。

そんな時、今やまと診療所大崎に務めている医師から「形は変わるけど、在宅医療での緩和ケアも、施設でのそれと一緒だよ。やってみたらいいじゃない」と言われ、やまと診療所で看護師として働くことを決めました。