“緩和ケア”と聞くと、病院から見離された後の治療という印象を受ける人は多いと思います。しかし近年、その認識は世界的に変わりつつあります。今日は、研究論文を交えながら、変わってきた緩和ケアについて、理事長の田上が解説します。

現在の緩和ケアは、抗がん剤の治療と同時に受ける人もいますし、癌と診断された瞬間から緩和ケアを推奨する意見もあります。

今年の8月、Journal of Oncology Practice (JOP)誌に公表された論文”Effect of Palliative Care on Aggressiveness of End-of-Life Care Among Patients With Advanced Cancer.

”では、緩和ケアは、患者のがんの症状や治療の副作用を予防、管理、緩和するだけでなく、家族、友人、介護者とともに患者に包括的なサポートを提供することも含むとされています。

緩和ケアの利用は特に癌の領域で増えています。これまでの研究では、ケアの満足度、生活の質の向上、さらには生存期間の延長など、緩和ケアを受けた人が受けていない人と比較して多くの利点があることが示されてきました。

この研究でも、緩和ケアは治療の前後でも治療中でも受けることができますが、診断後なるべく早期に緩和ケアを導入すれば、患者は治療の予後と目標をよりよく理解し、期待をコントロールし、生活の質を維持するのに役立つとされています。緩和ケアに関する海外のガイドラインでも、入院および外来の進行がん患者はいずれも、疾患経過の早期に積極的な治療と献身的な緩和ケアサービスを同時に受けることを推奨しています。

当院でも、力を入れている緩和ケア。患者さんが癌と診断され、なるべく早い段階から緩和ケアを導入できるよう、今後も病院などとの連携を深めながら取り組んでいきたいと考えています。