今回は「遠くから来た家族」というテーマで事例検討会を開催しました。川崎市立井田病院の西智弘先生が経験した事例に対し、医療介護従事者としてどのように介入していけば良いのか、参加者がグループになり意見を交換し合いました。(今回の事例はこちら

【交わされた意見】

上記の事例に対して、各グループで挙げられた意見の一部を紹介します。

*長男は母親の姿を目の当たりにして、死を受け入れる覚悟がまだできていないのではないか。
*長男が、今まで母親にしてあげられなかったことに負い目を感じている場合があるので、まずは感謝を伝える。
*遠方からきたご家族(長男)をねぎらう。
*長男の意見を聞いて最期まで医療行為をしてみる。
*医師から医療行為を行った場合のメリット・デメリット(今後予測されること)をご家族に話し、決定してもらう。

【援助者としてどのようなアプローチが可能だろうか…?

また、このような事例の場合、どのようなアプローチを行っていけば良いのか、西先生からも意見がありました。

「まず、初めに行うことは、医療介護従事者とご家族全員で現状を把握すること。その上で、誰が主語なのかを明確にしていくことが重要。」だと西先生は言います。「今回の場合『長男が』胃ろうにしたいと言っていたが、『お母さんは』胃ろうにしたいのか? このように主語が誰なのか明確にして、患者様の意見があればそれに沿ってあげるように促してくことが大切」とのことでした。

他にも、ご家族と接する際のポイントについても意見がありました。「日常的に介護をしているご家族は憔悴しきっていることが多い。一方で遠方に住む親戚やご家族は、今まで十分患者様に関われなかったために、『こうしたらよかった』という思いを『何かしてあげたい!』というエネルギーとして爆発させることがよくある。このような温度差から、残される家族に対立構造が生まれてしまわないように、医療介護者が介入する必要がある」。

「まずは、介護をしているご家族と遠方から来たご家族双方をねぎらうことが非常に重要であり、その上で医療従事者の意向に同意を促すのではなく、そのご家族のキーパーソンに最終的な決断を委ねるような介入が大切」だと話してくれました。

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勉強会後のアンケートでは、それはいいと思うような意見でも、その人の立場を理解して考えることが大切だと思った。」「自職場だと解決策に限りがあるが、地域で勉強会を開くことにより様々な意見を聞くことができた。」などの感想をいただきました。(アンケート結果はこちら2018年6月8日OMC勉強会

今後も、地域の方々と一緒に考えながらより良く連携をとれる関係を目指し、定期的にOMC勉強会を行っていきます。

次回は7月13日(金)18:30~です。少しでも興味をお持ちの方は、お気軽にご参加ください。